51. 発表会はターバン巻いて
エッセー49 で述べたように、血を見るとか想像するとか、ちょっと無理。
なのに自分はケガや骨折に見舞われるという体質?気質?性質?運気?を持っていたりするらしい。
あれは・・・“ストリーボック”の「ギャロップ」という とんでもなくスタッカートの多い曲を
死ぬ気で暗譜した、小学校1年生。二度目のピアノの発表会。
ちょろすけと言われていた私は出番まで待ちくたびれて、会場の教育文化会館の外を走り回って
・・・頭を ゴンっ!
素敵な石造りの彫刻の角に、ト・ツ・ゲ・キ! (^▽^;) あはは〜んっ♪
曲にあやかって、思わず弾んでタッタカタン♪ 自分までスタッカードしちゃたわけで。
友人のお姉ちゃんに連れられて母のもとに戻ると 周りの 大人 が突然パニック。
「血が出てるっ!」 という声に、それまで大丈夫だったはずの私の思考回路も大パニック!
血・血・血・・・と思ってしまったもんだから、例のごとく力が抜ける。
「おえぇぇぇぇ〜っ。」 気持ち悪くなって吐いてしまったもんだから、その場はさらに大騒ぎ。
教文のスタッフさんたちが入れ替わりやってきたと思たら、
医務室のような知らない部屋に運ばれ → 寝かせられ → 待機 → 救急車到着
裁判所のお隣から ピーポーピーポー! 搬送 → あっという間に手術台。(笑)
うぉぉ〜っ!ベッドの上にライトォ〜!先生たち緑の服着てる〜!怖いぃぃぃぃ〜っ!
そんな緑のなりして「発表会、出るのかい?」とお医者さんが聞いてくるもんだから、
「出るぅ〜っ」と答えちゃうじゃあ〜りませんか!かわいい服着たし。暗譜がんばったし・・・
すると突然お医者さん。 麻酔なしで 強行突破!
頭をちくちく縫っていく お医者さんと 抵抗する私の四肢を必死で抑える看護師さんたち。
あまりの痛みに両手両足全身の力を振り絞って脱出を試み、看護師さんたちを激しく蹴飛ばし
「だずげでー!死ぬーぅぅぅっ!おがあざ〜〜〜んっ!」 病院中に響く大声で泣き叫ぶもんだから
抑える看護師さんも、「しっかり押さえろ!」と叫ぶ先生もみんなそろってまた大騒ぎ。
でもね、そのお医者さんの懸命な措置によって麻酔なしで、しっかり出番に間に合ったのでございましたわよ。
しっかりはっきり意識は完璧。
おすましして弾いてはみたものの、頭にぐるぐる巻かれた包帯は
アラブのコブラ使いか、カレーの王様!?・・・まさにターバンさながらで。(--;)
・・・「あの子、さっき救急車で運ばれた子だよね。」(笑)
発表会のたびごとに「あら!包帯の子!頑張ってね!」と
あたたかい声をかけられるようになったのでありました。(^^;)
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