50. 指切って回る 運命の歯車よ

 

前回 エッセー49 を書きつつ、ふと思い出した。 小学生のころ、変なを見続けたことがある。

場面は、時代劇に出てくるような日本のお城の大広間で、
正面に鎮座する殿様らしき人が、私を手招きする。
両サイドにたくさんの武士たちがが座る中を前に進み出る、これまた微妙に 武士 な私。(笑)

「腕を見せてみよ!」という殿様の命令で 着物の袖 をまくってみると
呪いの図形のアザがあり、殿様が「そやつを切れ〜っ!」と叫んだ瞬間!
両サイドに座っていた武士たちが  を振り上げ、私に向かって襲い掛かってくる!
ひゃ〜っ!ぎょぎょぎょ〜っ!(←まるでさかなくん!) というところで目が覚める・・・

そんな夢に 洗脳 されたのかどうか定かではないが、
血の話を聞いたり、見たりすると想像力が膨らんで、自分の血が・・・うぉぉぉぉ〜( ;∀;)!
気が付けば、理科、保健、家庭科の出産の授業でさえ 貧血を起こして倒れるようになってしまったわけで。

それでも何とか高校3年。受験に向け、願書もそろえ、本州の大学受験のためにホテルの予約も済ませ、
残すはひたすら勉強という年の瀬も押し迫った忘れもしない、12月28日。

ちょっと勉強飽きちゃったのよね〜なんぞと、受験生らしからぬ行動に出る私。
カッターでおもむろにファイルに合わせてプリント(←紙に時代を感じる)を切り始めた私。
シュパッ!シュパッ!っと気持ちよく切っていたら、案の定!
皆様のご想像通り・・・自分の左手の中指シュパッ!(・・;)
血・・・血・・・血・・・が・・・ぁぁぁ・・・っ。

ふと見上げれば、和室の天井が見え。アラっ!? 指には包帯。ありっ!?

毎度学校の保健室から呼び出され、電話連絡を受ける 事情通(!?)の母が
・・・「自分の血もダメかい。」(--;)

「一人暮らしするんでしょ。どうするの、こんなんで。(笑)」
そうですよ、そうですよ。母の言う通り、一人で気を失ったまま出血多量で死んじゃうじゃないですか。
包丁持ったら(←いつも持ってないし)、料理中に死んじゃうでしょ!

怖気づいて母に一言。「お母さん、大学ね、家から通う・・・。」
年末だというのに、すぐにホテルにキャンセルを連絡し、担任にも大学変更を連絡し発覚したのは・・・

もう学校にはすでに 道内 の大学の 願書 が余ってないって何ーっ?!(;'∀')

年明けに、事情を知った友人から「学園のなら余ってるけど・・・」
背に腹は代えられぬ・・・「もらっていい?」「うん。」

こうして親元にしっかりと居座って北海道民を貫いた私。

そんな日々を今になって思い返せば、小学校時代の あの夢 は・・・
への感謝を忘れぬようにという教えか、先祖が果たせず残した悔いなのか、
まるで、ずっと親元にいることをしかと命ぜられたような・・・。

いずれにせよ、カッターナイフ1本で、運命の歯車というものは回るものなのでございます。



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