41. 妖怪人間スケッチマン 私は 妖怪・・・ん?何か用かい?ホッホッホー! 幼少の頃、私の祖母、かの有名なトヨちゃんは、一緒に入ったお布団の中で、いつも色々なお話をしてくれた。 「よっちゃん、嘘をつくとね・・・死んだら地獄に落ちて、 閻魔様 に 舌をグイグイグイグイ抜かれてしまうんだよぉ〜う。」 そぉ〜んな恐怖の寝物語は、祖母が九州旅行から帰ってきて、旅の感動冷めやらぬ時期だったのだと まぁ、そんな話はさておいて・・・。 そのような日々を過ごした幼少期の私は、おばけや怖い話は苦手だったくせに、 図書館から普通の本を借りくる中に、かなりの確率で 【地獄絵図】や【水木しげるの妖怪大百科】などなど、 そういう私が大人になって、東京に来て久しぶりに会ったいとこの子供たちと一緒にお絵かきをした。 でも、なぜそれが「恐怖」なのって? 私が人物を描いたら・・・どんなに可愛い子供でも、絶対妖怪になっちゃうんだよぉ〜う。(TT) 以前のシルクロードツアーでも、マルタ島のスケッチツアーでも・・・私が人物を描けば、必ず妖怪に・・・。 あの永沢まこと先生にも、「淑絵さんが描くと妖怪チックだねぇ〜!」、
「淑絵さんは妖怪気質を秘めているねぇ〜!」と言わしめた。 そして、そんな私の気持ちを知ってか知らずか、それでもいいという従妹の子供は、とうとう妖怪になってしまったのである。(--;)
おいおい、何を血迷ったか?!突然に・・・と思われるかもしれないが、今日は妖怪について書こうと思ったから書くのである。
もとい!人物スケッチについて書きたいと思ったらこんなタイトルになってしまったのである。
というわけで、今日のエッセイをどうぞ引き続き、ご賞味くだされ。
そのほとんどが、桃太郎や一寸法師 のような、あくまでも普通の昔話(←途中で眠たくなると作り話に変わる!)であったのだが、
それがたまぁ〜に思い立ったように、恐怖の寝物語 を、やさしく、そして諭すように語る夜も多々あった。
「よっちゃん、悪いことをしたらね、どんなに熱いよぉ〜、助けてよぉ〜って言っても、真っ赤な血の池地獄でグツグツグツグツって、
煮立ったお湯の中で釜茹でにされてしまうんだよぉ〜う。」
自分が別府の地獄スケッチをしてきて「これだ!」と初めて悟った次第である。
祖母の寝物語の影響があってか否か、何を隠そう(←隠してないけど)、
最近の実写版とは違い、まだアニメ時代のかぁ〜なりグロテスクだった【妖怪人間ベム・ベラ・ベロ】や
水木しげるの【ゲゲゲの鬼太郎】のような妖怪モノが、ことの他大好きな、妙な子供であったのである。(--;)。
女の子が借りてくるには、相当怪しい本があったのは否定できない事実である。
そして遂に来た・・、「今度は “僕の” 絵を描いて〜!」・・・と。
8歳の弟君が、私にとって、一番恐怖のリクエストをしてきた。
これこそ、チェッカーズの「なぁ〜みぃ〜だぁ〜のぉ〜、リクエ〜ス〜トッ♪」そのものである。\(-_- )おいそれかいっ!
それはね・・・それは・・・。
どんなにまじめにモデルさんを描いても・・・どんなにそっくりに描こうとしても・・・
どんなにかわいい子供だって、やさしそうなおじいさんだって、妖怪そのものになってしまうのである。(←キッパリ!)
そうなのである。永沢先生は、しっかり私を見抜いていたのであ〜る。さすがプロの目は違う!
いつも先生が笑ってしまうほどに妖怪性を出しまくり、妖怪スケッチ三昧になってしまう始末なのである。
嬉しいともありがとうともいう言葉はみつからないまま、目だけは固まっていたことを私は見逃さなかった。
あぁ〜、ごめんよ〜、ごめんよぉ〜う。(;'∀')
いたいけな子供心を傷つけてしまった、この私の中に住み着く妖怪性が恨めしい・・・。( ;∀;)
あぁ〜、こんな私に「何か用かい?そうよ、私はとっても妖怪。」(笑)
いとこの子供たちは、お姉ちゃんも弟も、自分の描いたお絵かきも私の描いたお絵かきも
「全部持って帰る〜!ちょうだ〜いっ!」と言って、そのまま持って帰って行ったが、
おそらく、あの自分の顔を描かれたスケッチだけは、「いらない・・・。」と言いたかったに違いない。
そして、私は知っている・・・。
今後も私は、人物を描けば必ず 妖怪変化 させてしまうことを。
後悔したって、公開したって、私は「妖怪人間スケッチマン」なのだから。
あぁ・・・南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。
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