3.ゴーゴートヨちゃん!車椅子の使い方&お正月の糖尿食


年末年始、私の正義の味方、トヨちゃん(祖母)が、今年も我が家に帰ってきた!
自分ひとりではベッドの上で固まったまま動けないし、インシュリンも手放せないけれど、
で〜もぉ〜!母がとっても頑張ってくれて、今年は何と 車椅子 様とご一緒に帰ってくることができたのである。
おぉ〜、ありがたや。ありがたや。

ところがどっこい!今年で築30年ともなる古き我が家。
バリアフリーって何のこと?・・・ってな具合の昔ながらの 段差だらけ のタタズマイなのである。

玄関前には3段の石段。(しかも雪まみれ!)
お年寄りにも若者にも優しくないが、そんなこたぁ、これっぽっちも問題にはならんもんねぇ〜!

1:段差は、車椅子の後ろにあるバーを踏んで前輪を持ち上げて「ひょいっ!」っと乗り越えられる。
2:家に入るときはまず、車から降りて雪の上を通ってくる。これで車輪が洗える。(これを雪上車輪洗車と命名)
3:そして玄関から部屋まで新聞紙を引き、その上に雑巾をつなげて 雑巾通り を作ってその上をごろごろ通る。
 (すると車輪についた雪と水気がしっかり取れる。室内車輪モードの完了)

ところが!ここで思い知ったのが狭いトイレの入り口。
トイレ介助が必要な場合、むしろ段差よりもこっちのほうが問題だったりする。

足の筋肉が動かない場合、車椅子を押す人とトイレ介助で2名いるととても楽。
実際は、急を要することなので、夜中などは隣に寝た母一人で・・・ということも多かったけれど。
それではここで、 車椅子で狭いトイレに入ろうワンポイント講座

1:母の首にしっかりと両腕を巻きつけて祖母が車椅子から立ち上がる。(と言うより母にぶら下がる!)
2:私がその瞬間に車椅子を後ろに引く。
3:祖母と母がペアダンスさながらそのままターン!
4:そして次に私の首と母の首が入れ替わる。つまり祖母が私にぶら下がる。
5:その間に母がズボンやパジャマなどをトイレモードに切り替え、私が祖母の背中を支えつつバックしてトイレに座る!
※ 戻るときはこの逆の手順で行いましょう。

さて、そんな祖母の年末年始。
何十年も ト〜ニョ〜 (糖尿病とも言う)なトヨちゃんは、去年より半分くらいちっちゃくなった。
でも、トーニョーだけどトヨちゃんは、おうちでカッコ良く食べまくった!

大晦日。そこには蟹君1号がいた。トヨちゃんの大好きなカニ味噌くんがいっぱい入っていた。
トヨちゃんには「年越しそば、食べないの?」という天の声は聞こえなかったらしい。
最初からカニ君1号と戯れながら美味しそうに食べあげ、
続いてこれまたカニ味噌君がた〜っぷり入ったカニ君2号もトヨちゃんの胃袋にしっかり納まったのだった。

そして、元旦のトヨちゃんは、ダシの香りがとぉ〜っても効いたお雑煮のおもちを入れ歯ながらも上手に美味しそうに食べた。
1つ食べられるかなぁ?と思っていた私を尻目に、「おもち、もう1個あるかい?」と朝から元気に2つも食べた。

元旦の夜のトヨちゃんの目の前には脂ギトギトなまぐろのトロ太郎君がいた。トロトロしまくった大トロだった。
やっぱりトヨちゃんのための大トロ君だった。
トヨちゃんは、お皿にいっぱいあったトロ君を一人で最後まで食べた。
あんなに食べて、胸やけしなかったんだろうか・・・。(・・;)
でもさぁ〜。トヨちゃんはとーにょーなんだってばぁ。

そんなトヨちゃんは、小さいころから私の正義の味方だ。
どんなときもいつも愛してくれ、私も愛しちゃっている。完全なる両思いなのだ。
お風呂に入るのもあったかい布団も昔話も全部私にはトヨちゃんが一番だ。
「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが・・・。」 このフレーズは、祖母により伝授されたものである。

祖母の作る南蛮の佃煮粕漬けは天下一品なんだけどなぁ。
未だに買ったものは、食べられないんだよぉ〜う。
おばあちゃん、早く元気になってもう1回作ってねぇ〜っ!



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